脳神経外科ジャーナル
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副神経に複数の血管圧迫を認めた痙性斜頸の1手術例
白井 和歌子北見 公一小柳 泉三森 研自桜木 貢蓑島 聡野崎 道雅
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1999 年 8 巻 10 号 p. 680-684

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抄録

痙性斜頸の原因には, 中枢性, 副神経性, 心因性があり, 副神経性では神経血管減圧術の有効性が報告されている.われわれは副神経性痙性斜頸の1例に副神経減圧術を行い, 術中2カ所の血管圧迫を認めた.稀なケースと思われるので報告した.症例は20歳, 男性, 1996年2月ごろより両肩がしびれ始め, 次第に頸部が左に向くようになった.無理に戻すと痛みがあった.同年5月, 当院受診.神経放射線学的検査で異常なし.心理テスト結果と筋電図所見より副神経が疑われた.バイオフィードバックや薬物療法が無効で, 副神経減圧術を行った.術中第1頸神経部と頭蓋内で神経血管圧迫があり, これらを解除した.術後, 症状と筋電図所見の著明な改善を得た.

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© 1999 日本脳神経外科コングレス
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