日本消化器外科学会雑誌
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食道癌手術侵襲に対するメチルプレドニゾロン術前投与の効果に関する検討
佐藤 信博肥田 圭介池田 健一郎大塚 幸喜木村 祐輔青木 毅一八重樫 泰法岩谷 岳石田 薫斎藤 和好
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1997 年 30 巻 8 号 p. 1831-1838

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抄録

メチルプレドニゾロン (MP) による手術侵襲軽減効果を検討する目的で, 食道癌患者を対象としてMP10mg/kg術前投与群10例 (MP群), 対照群10例 (C群) に無作為に割り付け検討を行った. MP群において術後末梢血中のIL. 6, IL18, 顆粒球エラスターゼは低値で推移し, 白血球数が高値で推移した. M-CSFと非特異的免疫能, NK細胞活性の変動には両群に差はなかった. 呼吸係数, NAGIndex, 血清総ビリルビン値を指標とした術後臓器障害はMP群が軽度だった. 両群に術後感染症, 縫合不全, 在院死亡は認めず, 遠隔成績, 再発状況にも差はなかった. MP術前投与は炎症性サイトカインと好中球の過活性化の制御により術後臓器障害を軽減するものと考えられた.

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