日本消化器外科学会雑誌
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食道アカラシアの病態と外科的治療
平嶋 毅
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1987 年 20 巻 9 号 p. 2072-2081

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抄録

1986年までの41年間に千葉大第2外科を訪れた食道アカラシア444例 (男200例, 女244例) の病態を食道X線, 内圧, 筋電図, 内視鏡および胃液検査で検討した.本症は内圧細分類によるA1, A2, A3型のごとき初期像 (食道緊張型) とB型のごとき末期像 (弛緩型) がある.本症に食道癌を合併した18例4.1%のうち病悩期間20年以上の症例は12例であった.
外科治療を行った275例の遠隔追求245例中, 良好は165例, 軽快は43例と併せて84.9%が改善された.104例に施行された胃弁移植術の遠隔追求97例中, 良好91例, 軽快6例とすべて改善した.教室で再手術をした30例 (教室13例, 他施設17例) 45件の86.7%が通過障害を理由とした.再手術の方法は胃弁移植術14例がいずれも好成績であった.

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