1984 年 17 巻 10 号 p. 1814-1819
残胃のリンパ流および残胃の癌のリンパ節転移をRIリンフォグラフィーと残胃の癌治癒切除例で検討した. 残胃のリンパ流は左胃動脈・脾動脈, 左下横隔膜動脈に沿うものが主体で胃癌取り扱い規約による1群と2群が等価値となり, 3群よりも4群リンパ節との関連が深い. B1法の胃・十二指腸吻合部位近傍では (12) (13) (14V) が, B2法の胃・空腸吻合部位近傍では (14V) へのルートがある. 食道胃接合部を越え食道浸潤を有する例では1・2群に加え左下横隔膜動脈周囲・縦隔リンパ節郭清が必要である. 以上より残胃癌では癌占居部位・再建法を考慮した合理的かつ重点的なリンパ節郭清が必要である.