臨床神経学
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症例報告
亜急性期に視神経にMRIで造影効果と腫脹をみとめたLeber's hereditary optic neuropathyの50歳男性例
古木 美紗子大久保 卓哉太田 浄文石川 欽也横田 隆徳水澤 英洋
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2012 年 52 巻 2 号 p. 102-105

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抄録

症例は50歳男性である.亜急性に両側の視力低下・視野障害を呈し入院.視力0.07/0.09,両側中心視野欠損,右Marcus Gunn瞳孔,左前腕および左下腿の感覚障害をみとめた.眼底所見は異常をみとめなかった.頭部MRI T2強調画像では右視神経に高信号域,視交叉の前方で腫脹があり,両側視神経に淡い造影効果をみとめた.ステロイドパルス・血漿交換・免疫抑制剤により感覚障害は改善したが視力は改善しなかった.血液検体による遺伝子解析にてミトコンドリアDNA:G11778A点変異を確認しLHONと診断した.LHONでは亜急性期にまれに視神経にMRIで造影効果や腫脹をみとめることがあり視神経炎との鑑別が重要である.

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© 2012 日本神経学会
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