日本心臓血管外科学会雑誌
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症例報告
非常に希な先天性大動脈5尖弁による大動脈弁閉鎖不全症の1手術例
鎌田 創吉阪越 信雄大畑 俊裕笹子 佳門
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2008 年 37 巻 1 号 p. 53-55

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抄録

症例は38歳,女性.心電図異常と労作時呼吸困難で当院を受診した.経食道心臓超音波検査および心臓CT検査において大動脈弁はほぼ同大な4尖と比較的大きな1尖で構成される形態を有し,重度の大動脈弁閉鎖不全を伴っていた.また,僧帽弁閉鎖不全症,心房中隔欠損症,冠動脈-肺動脈瘻を合併していた.2005年7月28日に手術を施行した.術前診断どおりの5尖からなる大動脈弁を切除し,機械弁による大動脈弁置換術を施行した.同時に僧帽弁形成術,心房中隔欠損閉鎖術,冠動脈-肺動脈瘻閉鎖術を行った.切除した大動脈弁は病理組織学的には軽度の粘液様変化を認めるのみであった.先天性大動脈5尖弁は非常に希であり,これまでわれわれが調べえた範囲では過去に1例報告されているのみであった.

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