内毒素はグラム陰性細菌の外膜の主要な構成成分であり、広範な免疫活性化能を示し、炎症性反応に関与する。この10数年間に内毒素分子に対する化学的、生物学的な新しい知見が付け加えられた。内毒素の部分構成成分についての知識、リピドA類縁体の合成、さらに内毒素アンタゴニストの開発は、内毒素によって引き起こされる細胞活性化過程に関して莫大な情報を与えた。さらに、内毒素と可溶性もしくは細胞性受容体との相互作用、内毒素によって活性化されるシグナル伝達経路、そして内毒素に対する細胞の応答に関わる知識に多大な進歩があった。しかしながら、宿主における内毒素活性発現の詳細な機構は極めて複雑であることが分かり、まだ完全に理解されていない。それでも、LPSによる単球/マクロファージの活性化の理解に対する最新の進歩は、グラム陰性菌の感染との戦いにおいて、新しくそして願わくばより良い戦略に基づく将来の展開の基礎となるであろう。