日本臨床外科学会雑誌
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症例
手術と化学療法により長期無再発生存中の食道小細胞癌の1例
橋田 秀明小室 一輝岩代 望大原 正範北畠 滋郎近藤 哲
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2007 年 68 巻 8 号 p. 1932-1936

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抄録

症例は51歳の男性で, 心窩部痛のため近医で上部消化管内視鏡検査を施行, 門歯より32~34cm, 6~7時方向に2型腫瘍を認め, 生検の結果, 扁平上皮癌と診断され, 当院にて右開胸開腹胸部食道亜全摘, 胸骨後経路胃管再建術を施行した. 術後の病理検査では小細胞癌と診断されたため, VP-16, CDDPによる補助化学療法を3クール施行, その後, ネダプラチンに変更し10クール施行した. 術後6年2カ月経過した現在も再発なく経過中である. 食道小細胞癌は比較的早期より全身転移を生じるため予後不良であり, 5年生存は稀であるため若干の文献的考察を交え報告した.

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© 2007 日本臨床外科学会
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