日本臨床外科学会雑誌
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症例
腸重積を合併した消化管ALアミロイドーシスの1例
北原 拓哉和城 光庸依田 惇志片桐 忍成田 淳中尾 聡加藤 修明大塚 将之
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2022 年 83 巻 8 号 p. 1470-1474

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抄録

症例は91歳,男性.全身倦怠感と右下腹部痛を主訴に受診した.腹部CTで回盲部の腸重積を認め,下部消化管内視鏡検査で同部位に腫瘤を先進部とする腸重積像が観察された.生検の結果,アミロイドーシスが疑われたが,悪性腫瘍の可能性も否定できず,腸管閉塞症状解除のため手術方針として腹腔鏡下右結腸切除術を施行した.臍部にカメラポートを挿入し,合計5ポートで行った.手術所見で腸重積は自然整復されていた.臍部に4.0cmの小切開を行い,機能的端々吻合により再建した.摘出標本の肉眼所見で回腸からBauhin弁に全周性の壁肥厚と黄色部位を認めた.病理組織学的所見で黄色部に好酸性の沈着物を認め,Congo-red染色陽性で,緑色の偏光を示した.免疫組織学的検査で抗κ鎖抗体にて特異的に染色され,AL(κ)アミロイドーシスと診断された.腸重積症を合併し手術治療を要した消化管ALアミロイドーシスの報告は稀であり,若干の文献的考察を加え報告する.

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