日本臨床外科学会雑誌
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幽門側胃切除・Billroth II法再建後の早期残胃癌にsentinel node navigation surgeryを施行した1例
二村 浩史山下 重雄小山 友己高橋 直人三森 教雄矢永 勝彦
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2006 年 67 巻 6 号 p. 1290-1293

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抄録

残胃癌に対するsentinel node navigation surgery (SNNS) の報告はまだない.今回Billroth II法再建 (B-II) 後の早期残胃癌患者にSNNSを施行したので報告する.患者は58歳,女性, 43年前,十二指腸潰瘍にて幽門側胃切除+B-IIが施行され,健診の上部消化管内視鏡にて早期残胃癌と診断された.赤外線内視鏡システム (IREE) とアイソトープ (RI) の併用でSNNS+残胃全摘術を施行した.センチネルリンパ節の分布はNo.3, J1, J2リンパ節で8個で,病理学的にリンパ節転移は認めなかった.リンパ節数はインドシアニングリーン (ICG) 陽性かつRI陽性が3個, ICG陽性かつRI陰性が2個, ICG陰性かつRI陽性が3個であった.本法は肉眼では観察できなかったICG陽性リンパ節やリンパ管がIREEで明瞭に観察でき,空腸の切離線設定に有用であった.残胃癌においてもSNNSの応用が可能と考えられた.

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