日本臨床外科学会雑誌
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わが国における胃癌手術のクリニカルパスの現況
野家 環小西 敏郎米村 豊
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2005 年 66 巻 10 号 p. 2360-2366

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抄録

【目的】わが国での胃癌外科治療におけるクリニカルパス(以下, CP)の現状を明らかにするために,全国アンケート調査を行った.【方法】全国1,686施設にアンケートを送付し, 700施設から返答を得,うち654施設(38.8%)からの回答を集計分析した.【結果】654施設中74%の施設で外科手術に CP が導入され,うち41%で胃癌手術治療にCPが導入されていた.採用胃癌CP上位2術式は,幽門側胃切除98%, 胃全摘60%で, CP規定の平均在院日数は,各19.1日・21.6日であったが, CP内容の施設問較差は大きかった.胃癌CP導入後に,入院期間が短縮し,患者満足度が向上し,医療の質が向上した,とする施設が多数を占めたが, CPの導入により職員の負担が増したとの意見もみられた.【結論】胃癌治療において,在院期間を短縮させながら治療の質の向上を図るために, CPの導入普及は必須と考えられるが,職員の負担が増えないように配慮する必要がある.

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