日本臨床外科学会雑誌
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胆嚢に原発したいわゆる癌肉腫の1例
杉本 克己林 永規古川 勝規鈴木 亮二宮崎 勝
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2004 年 65 巻 3 号 p. 761-765

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抄録

今回われわれは, 73歳女性の胆嚢に原発したいわゆる癌肉腫の1例を経験した.癌肉腫とは,上皮性の癌腫部分と非上皮性の肉腫部分との混在からなる悪性腫瘍である. Humphreyらは,骨や軟骨や筋肉など特異的間葉系成分を含む悪性腫瘍を狭義の癌肉腫,肉腫様成分と同時に上皮への分化を示すものをundifferentiated spindle cell carcinoma,紡錘形細胞型未分化癌,すなわち,いわゆる癌肉腫として区別している.紡錘形細胞型未分化癌は扁平上皮由来の組織に発生することが多く,本来扁平上皮をもたない胆嚢での原発例は稀である.肉腫と上皮,両方の組織学的特徴を有するこの組織型は,腫瘍発生・分化からみて極めて興味深くここに報告する.

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