日本集中治療医学会雑誌
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ポータブル型血管穿刺用超音波装置を用いた皮膚作図法により小児内頚静脈穿刺成功率は高まる
志馬 伸朗野村 麻由子松山 広樹橋本 壮志影山 京子溝部 俊樹橋本 悟田中 義文
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2005 年 12 巻 4 号 p. 407-411

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抄録

目的:血管穿刺用に特化したポータブル型超音波診断装置を用いた超音波ガイド下作図法による小児内頚静脈穿刺法を評価した。方法:心臓手術を受ける新生児から体重20kg以下の小児患者64名を対象とし,術者は小児麻酔や心臓麻酔を専門としない麻酔認定医取得前の麻酔科医とした。A群(N=34):解剖学的指標と総頚動脈の触診のみにより穿刺した群と,B群(N=30):超音波ガイドにより皮膚に血管走行を作図し,これを指標に穿刺した群にランダムに分類した。結果:穿刺成功率はA群で62%(21例/34例)に対し,B群では97%(29例/30例)と有意に高かった。超音波装置使用により穿刺失敗の相対リスクは0.08となる。血腫,気胸は認めなかった。約600症例の手技施行により本機器のコストが相殺される。結論:超音波ガイド下作図法により高確率での小児内頚静脈穿刺成功が可能になる。小児患者に対する侵襲を軽減する有用な方法である。

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