日本呼吸器外科学会雑誌
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症例
長期血液透析患者の降下性壊死性縦隔炎に対して胸腔鏡下縦隔ドレナージ術を施行した1例
竹内 幸康田中 康博
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2007 年 21 巻 1 号 p. 48-51

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抄録

降下性壊死性縦隔炎は迅速で適切な処置を怠ると急速に重篤化し致命的となる.症例は67歳の女性.12年間,慢性腎不全のために週3回血液透析されていた.発熱および咽頭痛,右頚部腫脹が出現し,近医で急性扁桃腺炎として入院加療されていた.4日後に呼吸状態の急速な増悪のため気管切開され,その2日後に降下性壊死性縦隔炎のために当院耳鼻科に救急搬送された.CTでは右頚部から気管周囲さらに心嚢周囲に及ぶ膿瘍が進展していた.翌日当科を紹介され頚部膿瘍切開排膿および胸腔鏡下縦隔ドレナージ術を施行.術後46日目に軽快退院した.胸腔鏡下縦隔ドレナージ術は,慢性腎不全患者の降下性壊死性縦隔炎に対しても低侵襲で有用と考えられた.

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