Palliative Care Research
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Case Reports
放射線療法で誘発された口腔粘膜炎にインドメタシンスプレーが奏効した5症例
蛯名 清華木澤 義之本間 真人和田 哲郎百 賢二細野 浩之幸田 幸直
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2007 年 2 巻 1 号 p. 301-305

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抄録

上顎洞癌に対する放射線療法で誘発された口腔粘膜炎にインドメタシンスプレーが奏効した症例を経験したので報告する. 症例は, 53歳の男性. 化学療法と放射線療法により疼痛を伴う口腔粘膜炎が誘発され, ジクロフェナクナトリウム, オキシコドン, 硫酸モルヒネ, フェンタニル, アズレン, リドカインビスカスを使用したが, いずれも効果は不十分であった. インドメタシンスプレーを開始(2-10噴霧/回, 1-11回/日, 9.6±5.2mg/日)したところ, 痛みのスコアは低下し(使用前vs. 後: 2.4±0.4 vs. 1.0±0.1), 痛みは良好にコントロールされた. インドメタシンスプレーの作用発現時間は, 8.7±2.2分であった. 本症例を含む5名の癌患者にインドメタシンスプレーを適用したが, いずれも有害事象はみられず, 良好な鎮痛効果を認めた. 放射線療法による口腔粘膜炎に対してもインドメタシンスプレーは有効と考えられた.

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© 2007 日本緩和医療学会
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