木材学会誌
Online ISSN : 1880-7577
Print ISSN : 0021-4795
ISSN-L : 0021-4795
カテゴリーII
スギ材を内装材として使用した室内空間における揮発性成分の分析およびその季節変動
清水 邦義 吉村 友里中川 敏法松本 清鷲岡 ゆき羽賀 栄理子本傳 晃義中島 大輔西條 裕美藤田 弘毅渡邉 雄一郎岡本 元一井上 伸史安成 信次永野 純山田 祐樹岡本 剛大貫 宏一郎石川 洋哉藤本 登留
著者情報
ジャーナル フリー

2017 年 63 巻 3 号 p. 126-130

詳細
抄録

木材を用いた家の価値が見直されている中で,木材から放散される揮発性成分の機能性が注目されている。季節ごとの温度や湿度の変化の大きい我が国においては,木材から放出される揮発性成分も大きく変化していると考えられる。本研究では,スギ(Cryptomeria japonica)の無垢材を内装に用いた建物(A棟)と,表面に塗装を施された内装材またはビニールクロスで覆われた内装材を用いた建物(B棟)の室内において,年間を通して揮発性成分を定期的に捕集し,ガスクロマトグラフ質量分析計(GC/MS)分析による比較を行った。その結果,木材の揮発性成分の大半を占めるセスキテルペン類の量は,どちらの棟においても冬季より夏季で高く,年間を通してB棟よりもA棟の方が常に高いことが明らかになった。

著者関連情報
© 2017 一般社団法人 日本木材学会
前の記事 次の記事
feedback
Top