肺癌
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胃癌の孤立性肺転移巣を切除した4症例の検討
田村 光信廣島 健三杉田 和彦小林 哲三好 新一郎
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2002 年 42 巻 6 号 p. 611-613

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抄録

背景. 胃癌術後の肺転移は癌性リンパ管症や癌性胸膜炎で発症することが多く, 手術適応にならない. 症例. 胃癌術後の孤立性肺腫瘤に対して肺切除し胃癌肺転移と診断された4症例を臨床病理学的に検討した. 2例は術前に原発性肺癌と診断された. 平均年齢は63歳で全例男性であった. 全例胃全摘術が施行された. 胃癌の肉眼型はIII型が4例中3例, 組織型は中分化型管状腺癌が4例中3例, 胃癌の問質量は髄様型が4例中3例, 浸潤増殖様式はINFβが4例中3例で, 全例リンパ管侵襲を認めた. 肺転移巣切除後の平均観察期間は13.8ヶ月で全例再発死亡した. 結論. 胃癌の手術歴がある症例で孤立性肺腫瘤が発見された場合, 術前に原発性肺癌が否定し得ない場合にのみ切除を考慮すべきである.

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© 特定非営利活動法人 日本肺癌学会
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