西日本皮膚科
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症例
帯状疱疹治療中に発症した髄膜炎の2例
藤田 弘黒川 滋子今泉 俊資河崎 洋志原田 清
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1994 年 56 巻 5 号 p. 992-995

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抄録

帯状疱疹の治療中に発症した髄膜炎の2例を経験した。症例1は61歳の女性, 初診3日前より右下肢に帯状疱疹が出現してきた。アシクロビルの点滴治療3日目に高熱, 頭痛, 嘔吐が出現した。症例2は62歳の男性, 初診3日前より右後頭部, 右頸部に帯状疱疹が出現し, アシクロビル点滴治療5日目に激しい頭痛と項部硬直が出現した。2例とも髄液所見はウイルス性髄膜炎を示唆し, 血中·髄液中の水痘·帯状疱疹ウイルス抗体価の上昇が認められ, アシクロビルを1500mg/日に増量したところ症状·検査所見ともに改善を認めた。帯状疱疹の患者が頭痛や嘔気を訴えた場合, 水痘·帯状疱疹ウイルスによる髄膜炎も考え対処すべきであると考えられた。

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© 1994 日本皮膚科学会西部支部
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