実験動物
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糖尿病マウスの育種
西村 正彦
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1969 年 18 巻 4 号 p. 147-157

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抄録

実験動物育種の立場から糖尿病マウス系統の育成を目標とし, 既存の11系統の中から, 尿糖, 非絶食時血糖, 糖負荷試験による適応試験によって目標に沿う系統を探し, 更に重症の糖尿病マウスを得るための育種操作を行なった。
KK系の糖尿病症状及びAy遺伝子の糖尿病効果を確認すると共に, 適応試験によりカスカベ及びニシキネズミグループに糖尿病傾向が広く認あられた。すなわちKSB系が雌において尿糖陽性, 両性においてKKと同じく高血糖, 糖処理能力劣弱を示し, またNC, NB, NBC, DDK系も糖処理能力劣弱を示した。
次に, Ay遺伝子をKK系に導入することにより, Congenicstrain, KK-CAyを育成し, 発症率の高い, 激しい持続的尿糖と高血糖及び糖処理能力劣弱を呈する重症の糖尿病系統を得ることができた。
一方, KK系とKSB系の交雑から重症化へのSele-ctionを行ない, F3世代において既に有意義な糖処理能力劣弱への選抜効果を認めた。しかし著しい繁殖力減退を伴ったため系統として固定するには至らなかった。

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© 社団法人日本実験動物学会
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