日本門脈圧亢進症学会雑誌
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小児の食道静脈瘤に対する内視鏡的静脈瘤硬化療法の経験
北本 幹也高橋 祥一相方 浩鎌田 耕治川上 由育松本 明子大石 和佳中西 敏夫市川 徹横山 隆弓削 孟文梶山 梧朗
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2000 年 6 巻 1 号 p. 12-15

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抄録

小児食道静脈瘤患者 (胆道閉鎖症術後5例, 肝前性門脈閉塞症2例) の出血例7例に対し, 5%ethanolamine oleate with iopamidolを用いた内視鏡的静脈瘤硬化療法 (EIS) を待期的に施行し, 全例で止血が得られた.初回EIS後食道静脈瘤出血を4例に認め (EIS後6-61カ月, 平均22.5カ月), 再度EISを施行し止血し得た.食道潰瘍を1例に認めたものの保存的加療にて軽快し, そのほかに重篤な合併症は認めなかった.出血の度にEISを反復している現状であるが, 出血が死因となった症例は認めていない.EISは小児食道静脈瘤に対しても成人例同様, 安全で効果的と考えられた.

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