日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
症例報告
Cetuximab併用FOLFIRI療法後に腫瘍崩壊症候群をきたした上行結腸癌の1例
松山 悟蔵元 誠子田中 亮介橋口 一利
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2015 年 112 巻 4 号 p. 714-720

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抄録

83歳,女性.腹膜播種をともなう径10 cmの結腸癌に対しFOLFIRI療法後にFOLFIRI+Cetuximab療法を行い,5日後に腫瘍崩壊症候群(TLS)を発症した.輸液療法により翌々日に血液データは正常に回復したが,TLSが原因と考えられる機能性イレウスから誤嚥性肺炎を併発し多臓器障害に進行して死亡した.結腸癌ではTLSはまれであるが,そのリスク評価を適切に行い治療にあたることが重要と考えられた.

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© 2015 (一財) 日本消化器病学会
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