日本栄養士会雑誌
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睦町クリニック認定栄養ケア・ステーションにおける在宅訪問栄養食事指導の効果
工藤 美香田中 弥生前田 佳予子中村 育子井上 啓子
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2017 年 60 巻 7 号 p. 389-397

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抄録

本研究では、睦町クリニックに認定栄養ケア・ステーションを設置し、その業務の一環として在宅訪問栄養食事指導を実施、栄養介入後に患者・介護者および連携事業者へのアンケート調査を行い、栄養介入後のアウトカムおよび連携方法等について検証した。対象は平成26年10月~平成27年6月に新規栄養介入した14人とした。在宅訪問栄養食事指導を栄養介入時、中間、3カ月後の計3回実施し、栄養介入前後の栄養状態、ADL、QOLを比較検討した。エネルギー摂取量不足群では、食事摂取量が増加し、血清アルブミン値は、栄養介入時3.2±0.3g/dL、栄養介入3カ月後3.5±0.6g/dLと有意に上昇した。Barthel Index は栄養介入前30.1点±18.2が栄養介入3カ月後40.0点±20.0と上昇傾向にあった。以上の結果から、認定栄養ケア・ステーションにおける管理栄養士の栄養介入は、栄養状態を改善し、ADL、QOLも改善傾向を示し、要介護状態にある患者の重症化予防に寄与すると考えられた。また、タイムリーに情報共有できる連携手段としてICT(Information and Communication Technology)を用いて、患者・介護者および連携事業者に在宅訪問栄養食事指導の効果を実感させることが、地域に根付いた認定栄養ケア・ステーションを運営していくための方法の1つであることが示唆された。

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