糖尿病
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委員会報告
わが国における糖尿病運動療法の実施状況(第2報)―患者側への質問紙全国調査成績―
佐藤 祐造曽根 博仁小林 正河盛 隆造渥美 義仁押田 芳治田中 史朗鈴木 進牧田 茂大澤 功田村 好史渡邉 智之糖尿病運動療法・運動処方確立のための学術調査研究委員会
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2015 年 58 巻 11 号 p. 850-859

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抄録

わが国における糖尿病運動療法の現状を把握することを目的に,糖尿病運動療法の実施状況に関して,患者側に質問紙調査を行った.全国各地の専門医に通院中の糖尿病外来患者5,100名に質問紙調査を行い,同意が得られた4,176名(81.9 %)を解析対象とした.診察時に運動指導を受けている患者は食事療法とほぼ同率であったが,運動指導を「受けたことがない」が30 %存在し,食事療法の10 %より高率であった.医師から運動指導を受けている患者が52 %と,コメディカル(理学療法士,健康運動指導士等)による指導は少なかった.一方,食事療法では,64 %の患者が管理栄養士に指導を受けていた.運動療法を実施している患者は約半数であった.医師側(第1報),患者側いずれの調査でも,糖尿病運動療法の指導体制は不十分であり,食事療法と比較して,「較差」が認められた.日本糖尿病学会編集による「糖尿病運動療法ガイドライン」作成を要望する.

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© 2015 一般社団法人 日本糖尿病学会
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